2] ISO14001認証取得荷主への対応
現在、ISO14001は大企業を中心に認証取得が進められている。ISO14001認証を取得している荷主企業が自社の環境管理システムを運用管理するにあたっては、運送業などの外注先にも自社システムの内容に沿って、エコドライブの推進や廃棄物削減の継続的推進といったことに配慮しながら事業を行うことを求ていくこととなる。このとき、外注先がISO14001の認証を取得していれば、外注先の事業内容に信頼性が付与されるため、発注元の企業は躊躇なくその外注先に業務を委託することができる。このため、今後は、こうしたISO14001認証を取得している荷主企業が運送業者等に対して、ISO14001認証取得を取引条件としてくる可能性が高まると考えられている。
こうしたことから、中小物流事業者がISO14001の認証を取得することにより、ISO14001認証を取得している荷主企業のニーズに応え、業務を受注できる可能性が高まるといえる。
【参考】 ISO14001規格における業務委託に関する要求事項
4.4 実施及び運用
4.4.6 運用管理
c) 組織が用いる物品及びサービスの特定可能な著しい環境側面に関する手順を確立し及び維持すること、並びに供給者及び請負者に関連手順及び要求事項を伝達すること。
3] 周辺住民への理解増進
事業所等において、周辺住民の不安を解消するための活動を実施する余裕のない中小物流事業者であっても、ISO14001の認証を取得することにより、アイドリングによる周辺の大気汚染防止や騒音・振動の改善など、周辺環境への配慮に積極的な企業である証として評価され、周辺住民に安心感を与える効果が期待されている。
4] 燃料費削減等によるコスト削減
ISO14001の認証取得により、企業は環境配慮の観点から燃料費削減等に全社的にかつ積極的に取り組むことになるばかりでなく、企業全体の経営システムのすみずみまで見直しが図られ、むだな経費を削減する機会が得られる。このため、ISO14001の認証取得によりコスト削減が図られる可能性がある。