<ヒアリング調査で把握された事例>
・パレット輸送の際に荷崩れ防止のために巻くフィルムは、以前は使用後、産廃業者に委託処分していた。しかし、最近はリサイクル業者に引き取ってもらい(部署によっては発生量の8割)、使用済みフィルムはプラスチック製品にリサイクルされている。リサイクル業者に引き取ってもらう際は、引取料を支払っている。現在、産廃業者への委託費よりリサイクル業者への引取料の方が若干高いが、産廃業者への委託費は値上がりしつつあるので、近いうちに逆転するのではないか。
・関東地区では、廃発泡スチロールを溶かすことができるリモネン液を搭載したトラック(リモネン車)を用い、廃発泡スチロールをリモネン液で溶かし減容化しながら回収している。これは中央研究所の再生プラントでペレット化されている。生産されたペレットは発泡スチロール業者に運ばれ、再び発泡スチロールとなる。
・ある営業本部で廃棄される段ボールは年間34トンあるが、そのうち9割以上がリサイクルされている。また、その営業本部で廃棄される紙は年間12トンあるが、その半分以上はリサイクル業者に引き取ってもらっている。
・梱包の効率化における他の取り組みとして、破砕した木材(木枠)を段ボールにリサイクルすることや、梱包材をスチールやプラスティック段ボールで代替するなどの取り組みを行っている。この取り組みにより木材使用量は数分の1になった。
・梱包用の段ボールのリサイクルは販売店で行われている。段ボールのリサイクルは自社で取り組むよりも専門業者に任せる方が効率的である。
・梱包材はごみになるので、梱包材を使わない輸送方法を検討中である。具体的にはラック(棚)のようなものに入れて輸送し、これを繰り返し利用する方法を検討している。また、ラックにIDタグをつけて、ラックにどのような製品がどれだけ入っているかが瞬時にわかるようなシステムを考案している。
・梱包の効率化にも取り組んでおり、発泡スチロール梱包材の使用量を削減している。
・樹脂製パレットの使用を目指している。木製だと意外に消耗が早く、またバーコードに対応できないなどの問題があるため。
・パレットの素材を木製からプラスチック製に替えられないか模索中。木製だと森林を伐採してしまうため。
・EDI化により、送り手側と受け手側の双方で用意していた伝票が一体化した。このため、紙(伝票)の使用量が半分になった。また、処理に要する時間が20%削減された。