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(2)運輸部門における今後の地球温暖化対策のあり方

 

1] 交通機関ごとの省エネルギー対策

 

(a)自動車

 

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■自動車の燃費性能の改善

 

我が国の自動車の燃費性能は、石油危機以降、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づいて燃費目標値を設定して指導を行い、また燃費を公表することによりその向上を図り、1985年度に目標値を達成しました。

しかしながら、近年、自動車の大型化、オートマチック(AT)車率の上昇、RV車の普及、安全装置の装備による車両重量増により燃費が悪くなる傾向にあることから、1993年に2000年度を目標とした新たな燃費目標値を定め、エンジンの改良、車両の軽量化、走行抵抗の低減などにより、乗用車全体で1990年度に比べ8.5%の燃費向上を進めることとしています。また、車両総重量2.5t以下のガソリン貨物車について1996年に2003年度を目標とした燃費目標値を定め、車両総重量2.5t以下のガソリン貨物車全体で1993年度に比べ5.0%の燃費向上を進めることとしています。

また、ディーゼル車についても、燃費目標値を設定するため1997年4月から検討が進められています。

さらに、京都議定書の温室効果ガス排出削減目標を達成するため、改正省エネルギー法に基づき、自動車の燃費目標値の設定にトップランナー方式の考え方を導入し、燃費について2010年までに1995年度比15%乃至20%超の向上を目指すこととしています。

自動車の燃費性能は、ユーザーによる燃費の良い車種の選択や、運転に当たっての経済走行への配慮、点検整備の有無などにも影響されます。

したがって、自動車メーカーの技術革新による燃費の向上とともに、自動車ユーザー自身が自動車の購入に際してより燃費の良い自動車を選択することも重要となります。

このため、自動車関係税制を燃費の良い事ほど安く、良くない車ほど高くする「自動車関係税制のグリーン化」が1997年4月に運輸政策審議会総合部会において提言されており、現在、検討が進められています。

●新車乗用車におけるAT車、RV車、3ナンバー車の比率(販売台数比)

 

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●ガソリン乗用車(新車)及び車両総重量2.5t以下ガソリン貨物車の燃費目標値

 

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注:目標達成年度は、乗用車が2000年度、貨物車が2003年度です。

表中、生産車種の車両重量が両区分にまたがる場合には、燃費目標値の右欄の数値が適用されます。

 

● 10・15モード走行パターン

 

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資料:運輸省

 

●12カ月点検による燃費改善例

 

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資料:(社)日本自動車工業会

 

 

 

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