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5.3.3 ホームドアの電位差対策必要とする車両

 

上記により、ホームドアの電位差対策必要とする車両は、以下のように区分けされる。

1] ゴム輪式はホームドアの電位差対策を必要としない。(プラットホームで車体を接地)

2] 鉄輪式はホームドアの電位差対策を必要とする。(但し、第4軌条式の場合は不要)

 

5.3.4 電位差対策についての考察(鉄輪式の場合)

 

鉄輪式での電位差対策の方法として以下の方法が考えられる。

案1:プラットホームで車体を接地する。

案2:ホームドアを絶縁する。(表面の絶縁塗料、ゴムシート貼りなど)

上記の案1の対策を行った場合には次の問題点がある。

1] 電気軌条から大地に漏れる電流(漏洩電流)は地中埋設金属への電蝕による腐食の問題を発生させる。

2] この大地漏洩電流による流路近辺の埋設金属(建築物の基礎、水道管などあらゆる金属)への電蝕対策は、電気鉄道の新規建設時点または電化工事実施時点に大掛かりに検討・対策(誘導管による流路変更を含む)がなされている。

3] 案1の対策を行った場合には、今迄の鉄レール電流と大地漏洩電流の比率(鉄道電気便覧によると通常9対1)が大きく変り(漏洩電流が増える)、かつ漏洩電流の流路を大きく変えるので新たな電蝕対策をホームドア設置の全駅で見直す必要が生じる。

このため、既設路線へホームドアを設置する場合は、ホームドアを大地より絶縁する案2の方法が現実的である。

新設路線へホームドアを設置する場合には、当初よりプラットホームにおける電位差対策と地中埋設金属の電蝕の対策とをからめて総合的に軌道構造をきめて、その結果に基き電位差対策を決めることが出来る。

 

5.3.5 電位差対策の具体的方法(鉄輪式の場合)

 

電位差対策は、踏切では電位差対策を行うよう規定がある。

 

〇 普通鉄道構造規則

第3章 電気施設

第1節 電車線路およびき電線路

第76条 (帰線用レール電位に対する防護)

帰線用レールと大地の間に生ずる電位差により踏切道、横断通路当の講習の通行する場所において人等に危険を及ぼすおそれのあるときは、その部分に敷設したレールを他のレールから絶縁するか又はその部分を舗装しなければならない。

 

しかし、ホームでの規定は無く、ペースメーカーを装着された方も考慮する必要がある。

 

 

 

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