上記固定式ホーム柵の検討内容をホームドアの場合に適用し、以下高さ、設置位置について検討する。
(2) ホームドア・戸袋の高さ
固定式ホーム柵と同様に、ホームドアの高さは、基本的に高いほど、ホーム側旅客にとっては安全性が高まるものと考えられる。一方スクリーン式ホームドアと違い、自立式のホームドアの場合は、構造強度及び景観(圧迫感)の問題から、あまりに高いものは問題がある。
また、客室の窓が開く構造の車両の場合は、車内の旅客から容易に届く高さ(およびプラットホーム縁端からの距離)では問題がある。
ワンマン運転を考慮しない場合には、車掌の出発監視における安全を考慮する必要があり、物理的に車掌がホームドアと接触しない高さ(およびプラットホーム縁端からの距離)であることが必要である。
ホームドア・戸袋の高さに関する考慮事項は以下の通りである。
(a) 各種の関係寸法
[各種規定による参考値]
・建築基準法によるベランダ手摺りの最低高さ 1100mm
[サ?緇
・道路柵(最低条件) 500mm
・車両客室窓下(一段下降・二段下降) 850mm程度or1250mm以上
・車掌室窓下高さ 1100〜1250mm程度
・先行事例(東京モノレール・東急池上線) 1200mm
・最高寸法 常識的には 1500mm(圧迫感・旅客からの見通し)
(b) ホーム側旅客の安全性
・ホームドアにつまずいて、転倒するような低さは避ける。
・「ホームドアへの寄り掛かり、持たせ掛かり、ホームドアからのはみ出し」等の行動は、基本的には旅客の責任であるが、あまりに容易に触車してしまう寸法は避ける。(座り易い、寄りかかりやすい等)
(c) 車掌からの監視
・出発監視時に接触する高さでないこと。
・特に曲線ホームで、現状程度の見通が確保できること。
・JR東日本の試験結果(車掌へのアンケート)では、高さはなるべく低い方が望ましい、高いと威圧感があり目の位置が一番怖い、1300mm以下が望まれるとの結果となっている。