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そういうようなことによって、いかに効率的に社会全体の余剰。これは経済学的に言うと、消費者余剰と生産者余剰を足し合わせた総余剰というような形で考えられると思うのですが、それを上げていくような方向で考えていくようなことができないかと考えております。

交通事業者の側面というのは、必ず事業的に儲かるか、儲からないかということは重要なことであります。先程、公共交通は世界最高水準だといようなことを申し上げましたが、確かに量的な話なのですが。まだ、世界最低水準だとは言いませんが、世界で言うとまだまだの水準だという所が結構あると思います。その1つは事業者をまたがるような運賃支払システムなどといった、要するにソフト的なものです。これはまだまだ考えなければいけないのではないかと思います。共通運賃制度ですとか、乗り継ぎシステム的なものですね。さらには物理的なものとしては、これは先程からずっと話題に出ております、全ての人に対して便利な物が提供されているのかどうかいうようなことです。これが今後ノンステップバスの位置づけとして、今後重要になるのではないかと考えております。

今、日本の社会というのは大きな転換期でございます。この転換期をいかにうまく利用して斬新なアイディアで効率的、かつサービス向上を狙えるような、そのような交通政策をうてるかどうかが大きな鍵だと考えております。

公共交通政策の中で太田先生のお話の中にもございましたように、特にバス交通というのはフレキシブルなものであるというようなお話をされておりましたが、私も全く同感でございます。しかし、フレキシブルだということは、全てに対応できるというものではないと考えております。そこで何を重要視して考えるかというようなことは、大きく2、3つに分かれると思います。バスというものは常にターゲットをもってマーケットに接すると成功することです。それを示して頂いたのが、先程建設省さんがよく出すグラフで太田先生が赤い部分で塗っておられたものです。これはコミュニティバスの部分であるだろうですとか、これは地下鉄対応できる部分だとか、さらにディマンドバス的なものもあると思うのですが。そのようにターゲットを絞った形でやると成功すると考えますし、その中に当然STサービスも含めた形でトータルで考えていかなければならないと考えております。

バス交通を重要視することは重要だと思うのですが、今事業者さんがいらっしゃるのにこういうようなことを申し上げて申し訳ないかもしれませんが、まちづくりの中で言えば、バスの活性化が最終目的ではないと思います。要するにまちづくりから言うと最終的な目的はまちの活性化であって、その中でバスが活性化するとさらに良くなるいうようなことです。これは鶏と卵の問題かもしれませんが、バスが良くなるとまちづくりも当然良くなると、まちづくりを良くするためにバスをどう使っていくかというようなこと。先程からお話がありますように、バスだけを良くしても駄目だと考えます。バスを降りた後のデザインも含めて「シームレス」という継ぎ目の無いトータルなデザインということが大事だろうと。その中の1つの部分がバスであり、公共交通だろうと考えております。

特にこれからそのシームレスの交通機関の中にかなり重要な部分を占めてくるのが、このノンステップバスだろうと考えております。これは要するに、ある特定の人が乗りやすい、ある特定の人達だけがシームレスという継ぎ目の無いものではないというようなことでございます。全ての人が乗りやすくて、全ての人が使いやすいと。

 

 

 

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