2) 断面BB'
断面BB'は中央部の北東-南西方向の測線に沿ったもので、横軸の原点は北東側である。
流速値は距離5,000から25,000mの間で1ktを程度とやや大きくなっており、距離10,000m、及び20,000m付近に小さな極大値を持っていた。この付近の流向は南東であった。距離30,000m付近から60,000m付近までは0.5kt程度の小さい流速で(流向は一定していなかった)、63,000m付近で1.5kt程度の極大値を示した。70,000〜80,000mで黒潮北縁部となり0.5kt程度から2.7kt程度まで急増して以降は一定値を保っていた。
DN値は入射角の変化のため北東(左)から南西(右)に向かって低下し続けていた。距離10,000m付近の流速極大値に対してはDN値で30程度の低下が見られた。黒潮北縁部では65,000m付近に50程度のDN値の低下が見られ、この部分がSAR画像上で二重に見られた暗い筋状のパターンの北側に相当した。
3) 断面CC'
断面CC'は北西-南東方向の測線の内、断面AA'で示した側線の北東側の測線であり、原点は北西側である。
流速は、距離38,000m付近までは0.5〜1kt程度で変動していたが、黒潮北縁部で約10kmの間に0.5m/s程度から3.0m/s程度に上昇していた。
断面CC'でも、断面AA'と同様に流速の急変部に対応してDN値の低下が観測された。
DN値は北西から南東に向かって110程度から200程度まで緩やかに上昇していた。これは入射角の変化に対応するものと思われる。黒い筋状のパターンについては距離41,000m付近から約5km程度にわたって輝度値が低下し、極小値は付近の値から比べると50程度低かった。また、距離48,000m付近にも輝度値の低下が見られたが、低下量は30程度であった。