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海流観測は「海洋」装備のADCPにより実施された。観測層は10m、50m、100mであるが、SAR画像との比較には最表層の10m層の流向・流速を用いた。また、水温観測はXBTにより実施された。黒潮流軸の指標としては200m水深で15°Cが用いられているが、SAR画像との比較データとしては表層水温を用いた。

(3)気象データ

撮影日である'96年2月24日の尾鷲及び潮岬の気象データ(気温、風向・風速、天気)を入手した。表9にAMO〜12時のデータを示した。

 

表9 尾鷲及び潮岬における気象データ('96年2月24日)

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撮影時間と近い11時では、尾鷲でESE、4.2m、潮岬でNE、1.5mとなっていた。尾鷲と潮岬では風向が異なるが尾鷲は地形の影響を大きく受けていると思われるため、潮岬の方がより海域を代表すると考えられる。潮岬では撮影前から北系統の風が卓越していたが風速は3m弱であった。

2.2.3 画像判読

衛星は画像の東側を下降軌道(北から南)で飛行しており、レーダパルスは右から左に照射されている。海面の輝度値が東側ほど高いのは入射角の違いによる。

海域は比較的輝度レベルが高く全体に縦方向に縞状のパターンが見られた。また、潮岬から東に低輝度の(暗い)部分が線状に東西に延びており、部分的に二重になっていた。南東側には白い線状のパターンが南東-北西方向に延びる様子も見られた。

陸域の東側(黒い筋の北側)には白い線上のパターンが見られた。新宮沖では暗い領域があり、うろこ状のパターンが見られた。

 

 

 

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