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1)Angular Second Moment(ASM)

各要素の2乗和であり、部分画像内の輝度値の一様性を示す。特定の輝度に分布が集中している(画像内の輝度がほぼ一様である)と同時生起行列では特定の要素のみが大きく、その他の要素は小さくなるため、ASMは相対的に大きくなる。

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2)CONTRAST

同時生起行列内で要素同士の輝度値の差の2乗を荷重平均したもので、部分画像内での変化の激しさを示す。2つのピクセルの輝度値の差が大きく、またそのようなピクセルが多くあるほどCONTRASTの値は大きくなる。

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3)CORRELATION

部分画像内の方向性の強さを示す指標である。ある方向にパターンが見られる場合その方向のCORRELATIONが大きくなる。

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2] 解析結果

ここでは図31に示した各領域を代表すると考えられる部分画像(200×200ピクセル)を取り出し、それぞれを16階調に変換した後、同時生起行列を求め各特長量を算出した。氷盤(黒1〜3)は暗い氷盤を、氷盤(白1〜3)は高輝度な氷盤を、海面1〜3は暗い海面を、海面4〜7は高輝度な海面を、流氷1〜6はその他の流氷部分を代表している。各方向の部分画像毎の特徴量を図32に示した。

また、部分画像によるASM、CONTRAST、CORRELATIONの違い方向0°の場合について図33及び図34に示した。

ASM及びCORREIATIONは部分画像による大きな違いは見られなかったが、海面1だけはASMが大きい(均質性が高い)結果となった。これは海面1が山陰の暗い海面に相当し全体に輝度値が低いためと考えられる。

CONTRASTは画像によって大きな変動を示した。方向によらず暗い氷盤、暗い海面、流氷で小さく、白い氷盤、白い海面(風波域)で大きい傾向が見られた。方向による違いとしては0°と90°で同程度にCONTRASTが小さく、45°と135°で大きい傾向が見られた。

各特長量の差や方向による差からも白い氷盤と白い海面を分離する明瞭な違いは見出せなかった。

方向による差などが十分に見られなかった理由については、同時生起行列を算出した距離が1であったためピクセルのサイズ(12.5m)と特徴的なパターンのサイズが合わないために、テクスチャを十分に検出できなかったことが考えられる。

 

 

 

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