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(2) 最小造波抵抗船型設計法の開発

最小造波抵抗船型設計法として、ランキン・ソース法による造波抵抗の数値計算法に基づく方法を調査・研究した。ランキン・ソース法と逐次2次計画法と呼ばれる非線形計画法を組み合わせて、小造波抵抗船型を直接計算する手法である。非線形計画法によれば複雑な制約条件、例えばプロペラや主機の配置スペースによる制約条件が与えられる問題も解くことが可能になる。

実際に建造され就航しているコンテナ船型を対象船型として、造波抵抗を最小とする最適化計算を行った。計算結果に基づく線図の比較を図3.2に、造波抵抗係数の比較を図3.3に示す。この計算例では、排水量、水線面積、浮心位置、船首バルブ断面積等について制約条件が課されている。本船の計画フルード数0.238では最適化計算の結果が初期船型と変わらずほとんど改良の余地がなかった。しかし、より高速のフルード数0.305で最適化を行った図3.2の計算例では、排水量分布が船首部分に移動し経験的な傾向に合致しており、本計算法の妥当性が検証された。

 

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図3.2 コンテナ船型・初期船型および最適船型の線図

 

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図3.3 コンテナ船型・初期船型および最適船型の造波抵抗

 

一方、前記の波のエネルギー・スペクトルを利用する手法により、同じコンテナ船型を対象として最適化計算を行った。造波抵抗を最小とする船型と船体まわりの波紋を検討した結果、求めた船型は非線形計画法による場合と同様な傾向を与えることが確認でき、その実用性が検証された。

 

 

 

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