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図2.5 自航性能シミュレータによる肥大船の自航要素の推定

 

(4) 操縦運動シミュレータの高度化

WISDAM法に基づいた操縦運動シミュレータの高度化を実施した。先ず、操縦運動時の複雑な流れに適した乱流モデルを、いくつかのモデルについて長短を明らかにすることにより、選定した。次にCFD計算と船体の運動方程式をカップリングさせ、船体に働く流体力はCFDを用いて推定し、舵・プロペラと船体干渉は数学モデルを用いて表現することにより、操縦運動シミュレータを構築した(図2.6)。そしてZ試験シミュレーションを行って実験結果と良い一致を得た(図2.7)。

 

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図2.6 操縦運動シミュレータの構成と計算の流れ

 

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図2.7 操縦運動シミュレータによるZ試験シミュレーション

 

(5) まとめ

CFDの実用化のために、粘性抵抗を推定する粘性抵抗シミュレータ、造波抵抗を推定する造波抵抗シミュレータ、プロペラ・舵・船体の相互干渉をシミュレートする自航性能シミュレータ、そしてプロペラ・舵・船体からなる船の操縦運動を推定する操縦運動シミュレータについて・計算精度の向上、計算効率の向上、計算対象の拡大などを通じて高度化研究を実施し、実験結果と比較検討することにより、これらのシミュレータが船舶の流体力学的性能の推定ツールとして実用的価値を持つことと、今後の研究の方向性を明らかにした。

 

 

 

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