あとがき
本報告書は、現在海上保安庁において運用中の船舶通航業務システム(VTS)において、高速船を対象にした場合の問題点と対応策の調査研究を行った結果をとりまとめたものである。本調査研究の実施にあたっては、現状での追尾の限界、高速船の運航状況等の資料の収集を図るとともに、海上輸送の高速化の動向、航路の速度規制の把握及び電波行政上の規制の把握を行い、問題点の抽出を行ったうえ、対応策を検討し考えられる最適方式を見いだし、船舶通航業務システムに適用する場合の具体的な検討を行ったものである。
これらについては報告書に記載のとおりであるが、主なものとしては、
・ 現状での追尾の限界の調査
・ 我が国及び世界における海上輸送の高速化の動向と運航状況等の調査
・ 世界における高速船への対応状況の調査
・ 追尾の目標の設定
・ 対応策の検討
・ 船舶通航業務システムへの適用方法と問題点の検討
などをあげることができる。この結果、対応策として新方式のレーダー案を考え、これを、船舶通航業務システムへの適用した場合の問題点をとりまとめることができたと考えている。
今後は、この方式を採った場合の船舶通航業務の監視システムの研究開発並びに船舶通航業務システムとのリンクを如何に行うかの調査研究を続けて行く必要があると考えている。
終わりに、本調査研究に当たっては、数多くの貴重なご意見をいただいた委員各位並びに関係官庁関係官等各位に厚くお礼を申しあげる次第である。
平成11年3月
船舶通航業務における高速船の監視方式調査研究委員会
作業部会長 岩崎 俊