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欧州がロラン-Cに気が進まないことの理由のひとつとしておそらく、NELSが運用を開始してからおよそ4 年間経つのに未だに目的とする輪郭が完成していないからである。この報告書に表現されているように依然として解決すべき技術的な問題が存在している。しかし、何よりも欧州の政治的問題がNELSに大きな影響を与えている。

 

状況

 

送信サイト

 

8 つの送信局が現在運用されている。NELSの設定性能の当初の技術的問題は解決し、現在の運用ではNELSの要求に合致しているか若しくはそれに近いレベルである。1つの例外がLessayである。そのLessayはSoustonesと共にBrestで開発中のNELSコントロールシステムのための試験台として手広く使用されている。これらのテストは時にはLessay局の利用性能に悪影響を与えている。

第9 のNELS送信局、アイルランド西海岸のLoophead局はまだ建設予定のままである。アイルランド国内の反対が依然として存在する。永い間、アイルランド当局は度々聴取を行い計画許可の交付を合法的に試みその裁定を最高裁判所に委ねた。裁定は常に政府の意見に賛成であり最高裁判所の最終裁定は1998年4 月に下された。しかしながら、アイルランドのMMNR(Minister for the Marines and Natural Resources)は建設を開始する前にさらに聴取を行うよう指示した。ある地域的な聴取は行われた模様でDublinでの国としての聴取は現在計画されている。この最後の聴取の予定は不明である。

 

コントロールシステム

 

Brest, France, NELS に配置されるNELS TOE コントロールセンター完成は懸案であるが、現在のところノルウエーのBφロラン-C局に配置された仮のコントロールセンターら制御されている。仮の制御システムは欧州のUSCGにより運用されている考え方と同じSAM をベースとしている。ノルウエーの当局はNELSの協定に含まれるオプションの一つであるノルウエーに恒久的なコントロールセンター建設するために必要な資金を得る試みをしている。Brest コントロールセンター現状について、ハードウェアは準備できており、通信回線は確立されソフトウェアーは開発中である。センターソフトウェアのバグを解決すればNELS送信機の制御する準備はできている。現在の計画では1999年の早い時期にBrestコントロールセンターはスタートする。

 

ユーロフィックス

 

ユーロフィックスのテスト送信は1997年2 月からドイツのSyltロラン-C局から実施されている。期待できるテスト結果に基づき、NELSの運営委員会とシステムの最高機関はユーロフィックスの開始とシステムの改良のための基本決定をおこなった。複合局によるユーロフィックスの性能を実証するための4 局による実行予定は準備中であり、NELS関係国の正式な資金手当てが完了したらただちに実行されるであろう。(第1図)

 

 

 

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