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第14回IALA会議

(ハンブルグ1998年6月9日〜19日)

出席報告

第14回IALA会議がドイツのハンブルグ市で開催され、当協会専務理事 田中仙治 、国際業務部長 岩崎茂 が出席したので報告します。

 

まえがき

 

今回の会議はテーマを「システム技術をとおした航行安全」と定め、6月9日、ハンブルグ市の中央会議場において、ドイツ運輸省輸送技術通信局長、工学博士U. Klingeの司会で始まり、11日間続いた会議は6月19日の閉会晩餐会をもって閉幕となった。

 

会議には世界47カ国から350人の出席者があり、日本からの出席者は海上保安庁のIALA国家会員理事灯台部長 小島充嗣氏、IALA国家会員委員工務課長 池田保氏、同委員電波標識課長 新田太久三氏、IALA準会員燈光会専務理事 築貫義人氏、IALA名誉会員日本航路標識協会副会長 清野浩氏外工業会員関係者30名であった。

 

開会式において、工学博士、U. Klinge, ハンブルグ市長Mr. E. Runde, IALA会長Mr. R. Kingston, IMO事務局長Mr. W. O'neil, ドイツ連邦運輸省政務次官Dr. N. Lammertの挨拶があった。

 

開会式に続いて、第13回会議以来のIALA活動概況の説明があり、概況説明の後、Dr. Klingeは将来のIALA活動方針について発表した。その後の技術セッションでは下記題目のプレゼンテーションと討議が連日行われた:

● 運用-維持管理、支援、設標船と業務用船等

● 技術-浮標、エネルギー源、光波標識等

● 船舶通航業務-運用、情報の提供、VTS要員等

● 電波標識-電波標識、デファレンシアルGNSS等

● 歴史的灯台の保存-灯台の適切な保存と効果的な管理方法等

 

これらはIALA会員が今回の会議のために応募し、厳選された95点のプレゼンテーションであった。出席者の観点から整理してみると下記の問題点等が検討されたと言える。

1.多様な維持管理と安全対策

2.新技術の紹介と必要性

3.新旧システムの併存混合淘汰

4.国際的な技術基準の作成と改正

5.要員の訓練資格基準の作成

6.歴史的灯台の保存

今回、このような問題をハンブルグ市中央会議場の一個所に集中させることが出来たIALAの歴史と努力を高く評価するとともに、これらの成果に適正な吟味と検討を加え船舶の航行の安全に繋いで行くことが重要であると思われた。

 

その他、会議では各国の航路標識関係者と経験やアイディアの交換を行い、将来の目標を語り合うことが出来、例えば特に近隣各国の韓国、中国、シンガポール、パプアニューギニア等の関係者と語学のハンデがあったとはいえ航路標識という同じ土俵の問題を話し合う経験が持てた事、有名なキール運河と同VTSの歴史と運用状態の見学をさせていただいた事等の極めて有効な体験をすることができた。

 

これら会議の模様を以下にとりまとめました。

 

 

 

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