さらに、整備地域の関連インフラ特性を踏まえたユニット建造・施工の工夫による費用軽減の余地もある。(呉港区極近傍の大規模工場での建造等)
■ 浮体ユニット防食
施設の耐用年数(ケーススタディでは100年)の設定、防食関連技術の向上、腐食を見込んだ設計(防食はしない。)など、将来における費用軽減の可能性がある。
■ 浮体ユニットの接合
横須賀での実験等を通じて、着実に技術革新による合理化が図られており、大幅な費用軽減が実現されつつある。
整備費用上の比較は、本来、即地的な条件に大きく規定されるため、詳細なコスト条件の比較・評価は困難である。しかし、極めて概略的な要素の比較を見る限りは、メガフロートに特に重要な問題はないといえよう。そのため、メガフロートが、実証モデル研究等を重ねて安全性に対する信頼度を高めることによって、海上利用による空間創出という点で空間開発の新たな選択肢の一つとして位置づけられるだけの条件を備えてきているといえよう。
(3) メガフロート活用の既往事例とその特徴
"メガフロート"については、現在、1999年夏に予定されている実証モデル施設が国内外を含めて唯一の事例である。海洋空間利用の歴史は古く、現在、各地域で利用されている海上施設には、
i. 船舶を係留して利用するもの
ii. 船舶の形状をした浮体構造物を利用するもの
iii. 浮体構造物で、半潜水式の脚の上にデッキを設置し利用するもの
iv. 浮体構造物で、箱形の形状のものを浮かべて利用するもの
等がある。しかし、これらはせいぜい大規模な“浮体構造物”の域を出ず、"メガフロート"とはスケールの点………例えば、サイズがキロメ