3 将来像実現に向けての課題と取組み
(1) 呉拠点都市地域の自立的成長の牽引(港湾の活用)
呉市、呉地方拠点都市地域は、陸上高速交通基盤へのアクセス環境が十分とはいえないため、地域の自立的発展のためには海からのアクセス環境の強化が対応すべき必須課題である。中心都市呉市における広域交流拠点機能を整備し、地域内における呉市の求心力を強化する必要がある。また、地域内の相互連携基盤の整備による相互連携・交流の促進、「陸」「海」「空」の広域連携基盤整備を活かした他地域、海外との広域連携・交流機能の整備が必要である。
(2) 資質を活かした高付加価値産業の育成
蓄積された技術力、情報力、信用力、人材を活かした新たな産業分野への展開(新材料、技術開発など)を目指し、一般機械器具、鉄鋼、造船、金属製品等の重工業に特化していた産業を活性化させるとともに、今後成長が見込まれる新規の産業(海洋環境産業など)の起業化や立地を促進する。またこれにより、周辺地域から就業者を吸引し得る雇用機会の創出、新しい産業・業務機能の集積により呉地方拠点都市地域を中心とした地域経済の発展を牽引することが求められる。
(3) 港湾を活用した大規模災害対応力の強化
軟弱な地盤で形成されている臨海部・平野部に、人口、産業、交通基盤、都市基盤等が集中・集積している。また、呉市の市街地を取り囲む急峻な山地に土砂災害危険区域が広く分布しており、地震、豪雨等の大規模災害時には陸上交通網が寸断しやすく、市街地が周辺地域から孤立化するおそれがある。また、呉市地方拠点都市地域あるいは西瀬戸地域を形成している複数の島しょ部は、アクセスを海上交通に大きく依存している。呉市街地は、公園緑地が乏しく、土地開発余地が少ないため、広域避難場所や災害廃棄物の一時保管場所、応急仮設住宅の建設用地となる大規模なオープンスペース確保は困難と思われる。このような状況