3 交通体系上の特徴
(1) 陸上交通
呉市に関わる陸上交通体系は、図表1-6に示すようにJR呉線と道路交通体系である。中国地方の広域交通体系の幹線軸は、東西を結ぶ山陽自動車道、山陽新幹線と広島空港であるが、呉市はこの幹線軸からはずれている。新幹線に対しては、JR呉線が広島駅に40分の所要時間(快速では25分)で結ばれている。また、JR呉線は他方では三原市に通じている。しかし、単線であるために高速化、輸送力の増強という点では限界がある。高速自動車道については、広域的な高速交通体系に直結する高速自動車道は現在はない。これらのアクセス改善策として東広島県自動車道の整備が待たれるところである。
主要都市とのアクセスという点では、広島市と呉市を結ぶ広島呉道路(クレアライン)の整備により、広島市方面へのアクセス条件が飛躍的に改善している。
呉市内の交通アクセスの強化を図るため、南北方向には呉環状線のバイパスルートが計画され、東西方向には湾岸バイパスルートが検討されている。
また、周辺島しょ部へのアクセスとして、警固屋音戸バイパス、国道185号の整備が進められている。
(2) 海上交通
図表1-7は呉市を中心とする海上交通体系を示したものである。これによると、呉港は、広島県下において特定重要港湾広島港に次ぎ、福山港、尾道糸崎港と並ぶ3つの重要港湾の内の一つとして内外貿貨物の流通拠点、旅客輸送の拠点港として機能している。
呉市が、東西軸を主軸とする陸上の広域高速交通体系から離れていることが不利な点となっているが、他方、海上交通という点では、呉港が瀬戸内海主要航路に直結し、また、四国、九州、周辺島しょ部などへの玄関口として機能している。