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第2章で事例検討を行った中国山地県境市町村連絡協議会(県境サミット)では、地域のガイドブックである「エメラルドパスポート」を作成し、共同のホームページを作成し、「県境サミット通信・エメラルドNEWS」を作成している。このエメラルドNEWSは協議会の発行で平成11年2月には49号を重ねている。(図表6-34参照)

 

カ 外部との情報交流ネットワークの形成

 

大崎上島の観光拠点としてのステイタスを高めていくためには、常に外部の月で地域を評価することが必要である。そのため、情報発信の項で述べたようなターゲットを限定しない情報発信ばかりでなく、外部有識者からの情報収集のパイプづくりが必要である。上であげた旅行エージェントや販売業者がそれであり、この他にも島外転出者を域外サポーターとしてエントリーし、継続的に情報収集を行うなどの取組が望まれる。

 

キ 人材育成

 

観光客の地域をみる目は厳しくなっており、このような状況の下で地域間競争にうち勝ち観光客の受け入れを拡大するためには、来訪者に十分楽しんでもらうための受け入れ側のいかにもてなすかのホスピタリティの定着が重要である。このようなもてなしの気持ちを重要なノウハウとして評価し、人材育成の仕組みづくりを行う必要がある。また、観光客のもてなしという点では広義には地域の住民が大きく関わっている。観光産業に関係のない住民からみれば、観光客は地域を汚し、騒音をまき散らすだけという見方になってしまう。住民がこのような見方をしている場合、地域としての観光客を受け入れるホスピタリティのレベルは低いといわざるを得ない。そのため、多くの地域では、一般の住民を観光客との交流に巻き込む動きが組み込まれている。例えば、地域住民がボランティアで観光客を条付する仕組みづくりが各地域で取り組まれている。そのため、大崎上島においても住民の啓蒙活動が必要である。

 

ク インフラ整備

 

地域が観光拠点としてステイタスを高めるためには、観光客の受け入れに向けた基盤整備、例えば、宿泊施設、キャンプ場などの受け入れ体制の整備が必要であり、また、フェリーの増便(大三島と結ぶ航路の増便など)、大型バスの運行に支障がないような道路幅員の拡大が必要である。

 

 

 

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