日本財団 図書館


(2) 将来の社会環境の変化に対応する地域課題

 

国際化、高度情報化、高齢化、地球共生化など、社会環境が大きく変化しており、これからは、こうした変化に的確に対応していくことが求められる。

大崎上島においても人口減少が予測される一方、住民のライフスタイルの多様化や高度情報化の進展に伴い、個性と創造性を求める志向が高まり、多様な行政ニーズが想定される。3町でのこれまでの住民生活に対応した行政サービスは、必ずしも高レベルの行政サービスであるといい難い。

島内での定住を促すためには、必ずしも都市部と同水準の行政サービスの提供が困難であるとしても、住民が求める行政ニーズへの対応が求められる。

一方、大崎上島での課題である人口減少の一つの要因は、島内での雇用機会の減少である。今後、ますます激化する都市間競争の中で、島内での就業機会の拡大や新産業開発が求められる。同様に、高度情報化社会の進展により、時間的、地理的制約が克服され、多種多様な情報の入手や情報発信も容易になり、先に示した都市間競争がより一層進むものと想定される。大崎上島での地域振興策の一つと期待される「都市との交流」を活性化するためには、魅力的な情報発信が前提であり、高度情報化社会への対応が求められる。

また、ダイオキシンや地球温暖化などは、国際社会共通の課題であり、市町村としても避けて通れない課題である。こうした地球共生化への課題は、一市町村だけでの取組では限界があり、他町との連携を必要とする。

事実、広島県では、ダイオキシン対策として県内8ブロックに分割し、「一般廃棄物広域処理計画」を策定し、国のごみ焼却の新ガイドラインへの対応を図ることとしている。大崎上島は、2市10町で構成される竹原・東広島ブロックに含まれ、一般廃棄物広域処理計画が検討されている。

さらに、わが国の経済の持続的発展が限界に達した今日、国からの財政支援による行政運営も限界に達し、地方分権化の方向とともに自己の責任による地域の自立化が要請されることになるものと考えられる。

まちづくりや行政サービスは、各市町村での独自の施策展開が可能になる一方、自己責任による行政運営により、市町村間での格差の拡大も想定される。

限られた財源の中で、効率的・効果的な行政運営が求められる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION