第3章 大崎上島の島づくりの課題と展開方向
1 大崎上島の島づくりの課題
大崎上島における島づくりの課題は、人口減少など、地域の現況・動向に係わる課題があり、他方、将来の社会環境の潮流に対応するための課題が想定される。
(1) 地域の現況・動向に係わる課題
大崎上島3町の共通の課題は、いずれも過疎化と高齢化が進展し、地域社会が縮小化していることである。
大崎上島3町でのこれまでの傾向で人口減少が続くと仮定すると、平成17年には平成7年の10,854人の約77%、8,328人までに人口規模が減少する。同様に、65歳以上の人口は平成7年の3,454人から平成17年には3,411人へと総数では減少するものの、65歳以上の高齢化率は、平成7年の31.8%から17年には41.0%へと約10ポイントの上昇となる。(図表1-3参照)
大崎上島での現在の人口減少傾向は、高度経済成長期における「社会減少」から、死亡率が出生率を上回る「自然減少」という地域内部の要因による先細りによるものである。
人口減少・高齢化の進展に伴なう地域課題としては、地域での産業活動の停滞に加えて、児童・生徒数の減少による学校教育機能の低下や保育サービスの維持問題、公民館、図書室などの行政サービスの低下、島内の唯一の公共交通機関であるバスサービス水準の低下などが懸念されるほか、高齢化と過疎化に伴う集落の維持機能や相互扶助機能の低下、祭や催しの運営などのコミュニティの維持形成に係わる課題が指摘できる。
●地域の現況・動向に係わる課題
1] 人口減少に伴う地域産業・雇用機会の縮小
・産業活動の停滞
・雇用機会の縮小
2] 基礎的行政サービスの低下
・保育サービス、学校教育、公民館活動・図書サービスの低下
・バスサービスの維持形成
3] コミュニティの維持形成
・集落の維持機能や相互扶助機能の低下
・祭や催しなどの運営上の課題 など