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各町単独では熟練した心理判定員を確保することの財政負担が大きいため、経費節減と、域内での判定基準の均一化を図るために、このような取組がなされたという。

保健・福祉分野においては、職員が、日常の業務に忙殺されることが多いためか、内発的に新たな連携をはじめるというよりは、介護保険制度の創設や地域保健法の改正といった外在的要因への対応として連携がはじまる事例が多いように思われる。

そのほかには、高齢者支援に関して、高齢者の交通安全の啓発などを行っている事例がみられるが、こうした啓発などは比較的経費が少なくてすみ、しかも連携して同じメッセージを流す方が反復による教育効果が高いと考えられる。

 

オ. 行財政分野

 

まんべんなく多様な事例がみられるのがこの分野のひとつの特徴といえよう。その中でも、ほとんど新たな経費がかからない広報や職員交換などの事例が多い。

広報でも、ホームページの開設などには相応の経費もかかるが、山梨県の甲府地区広域行政組合を構成する6市町が実施しているような、それぞれの市町の広報紙に圏内のイベント情報などをまとめた統一ページを設ける程度であれば、新たな経費は無に等しく、当地城でも意欲さえあればすぐにでも始められる事例といえよう。

職員交換も、ほとんど費用がかからず、しかも行政のノウハウや問題意識などを相互に共有化していくきっかけができるなど、実施する意義は深い。秋田県山本郡南部の琴丘、八竜、山本の3町では、将来は3町交流の架け橋となることも期待して、1年間の期間で職員の三角トレードを行っている。

そのほか、住民の利便性を考えての住民票写しの相互交付の事例や、行政のみならず、民間のボランティア団体や農協、郵便局などとも連携して不便の解消などを図っていく事例などがある。福井県の丹南広域組合など各地でみられる住民票の写しの相互交付は、新規に始めるにはそれなりに経費のかかる事業であるが、複数の自治体が同じ情報を保有することによる、いざというときのバックアップ体制の確保という情報管理の面の効果も期待できよう。民間も含めた連携は、調整が難しいためか、あまり多くはみられない。

 

 

 

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