第2章 大崎上島における連携事業の必要性と他地域での事例
1 暮らしよい地域づくりの必要性
現在、行政に対する効率的なサービス提供への要請が高まってきている。しかも、高齢化のさらなる進展や財政事情が厳しさを増す中で、効率的な行政運営が必要になってきている。
この様な環境のもとで、国の動きとしては、行政改革の推進、規制緩和の推進などの取組を進めている。そして、地方行政上の課題に対しては、地方分権の推進を図りながら「地方公共団体の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図るため、国と地方の役割分担を明確にし、住民に身近な行政をできる限り身近な地方公共団体において処理することが基本」(『地方分権推進計画』)とし、人材の不足を補いながらの行政改革の必要性が指摘されている。すなわち、図表2-1に示すように少子・高齢化などを背景とした住民ニーズの多様化・高度化、地域経済活動の低迷、過疎化の進展に伴うサービス効率の低下などが原因となって行政サービスに対するニーズが変化してきている。
これに対しての課題は、福祉、教育、文化や商工、農林、都市整備、土木などの多様な分野にわたっている。また、改革の内容は、自治体内部の仕事の仕方(政策評価や業務プロセスの効率化等)、国-自治体間の仕事の仕方(事業の委譲や財源の見直し等)、自治体と住民との関わり(自治体と民間の事業領域の見直しや市民参加、情報公開等)など多様である。
そして、行財政改革の方策のメニューとしては、図表2-1に示すように次のようなものが想定される。
1] 業務改革(業務プロセスのBPR)
民間企業で取り組まれているBPRの手法(i.白紙に立ち帰った抜本的な改革、ii.劇的な改善目標の設定、iii.顧客重視のプロセス構築、iv.強力なりーダーと現場の積極的な参加による改革、v.ネットワーク化された情報システムによる情報共有化)を導入して、サイクルタイムの短縮化・コスト低減のもとで顧客満足の最大化を図る。
2] 行政の定型業務のアウトソーシング推進
現状の給食・清掃等の部分的な外部委託が主であり、行政本体の業務については前例がない状況からの脱却を図る。