2 大崎上島3町連携・協力の状況
(1) 大崎上島の連携・共同事業の実績状況
大崎上島3町における連携・共同事業は、後出の「図表1-30 3町連携の実績」に示す通りである。
既往の3町共同事業は、概ね次のように整理することができる。
1] 基礎的行政サービスとしての施設共同型事業展開
大崎上島での連携・共同事業の一つは、昭和40年代前半に生活圏の拡大と市町村行政の効率化を基本的課題として導入された広域市町村圏行政としての一部事務組合による基礎的行政サービス事業での共同化である。
竹原広域行政組合による「ごみ処理(大崎上島環境センター)」事業をはじめとし、「し尿処理(大崎上島クリーンセンター)」、「大崎上島火葬場」、「大崎上島消防署」及び「患者輸送艇事業」が行われている。
これらの事業は、市町村の必要不可欠な基礎的サービス事業であり、行政運営の効率化を目的として、多くの市町村において広域化されている。
2] 地域課題への対応としての施設共同型事業の展開
高齢化の進展により、高齢者福祉の充実が大崎上島及び下島での共通の課題となっている。大崎上島及び下島5町の共通課題である高齢者福祉サービスを効率的に進めていくため、共同事業として「特別養護老人ホーム(大崎荘、豊寿苑、大崎美浜荘)」、「老人保健施設(みゆき)」などの整備が行われているほか、平成11年度開設予定の「特別養護老人ホーム(大崎美浜荘)」が建設中である。
3] 島民の悲願である架橋建設促進など、特定プロジェクトに向けての事業展開
3町共同による取組事業としては、架橋建設促進のために設置された協議会による特定プロジェクト推進のための事業がある。架橋建設は、島民共通の願いであり、3町間の事業負担調整などの煩わしさがなく、3町の足並みが揃えやすい事業である。
4] 地域振興を目的とした民間・団体先行型共同事業の展開
民間事業所は、一般的に行政区を越えた経済活動が営まれ、大崎上島においても、民間団体であるFFアイランドをはじめ、大崎上島農業振興協議会、商工会の指導員交流事業が行われているほか、経済界の交流も盛んである。