イ カヌー・シーカヤックの歴史と普及状況
現在のシーカヤックは、北米から千島列島にかけて居住したイヌイットの利用した皮張りのカヤックをもとにしたものであり、カナディアンカヌーは、北米インディアンの樹皮張りのカヌーを木で模倣したことからスタートしたものである。
19世紀後半にヨーロッパ・アメリカでレクリエーション・カヌーが流行したあと、自転車や自動車の流行により打撃を受け、細々と続いていたが、60年代後半からの「アウトドア」の動きの中で見直され、現在の流行にいたっている。
わが国では、1879年に千島列島を視察した際に、3人乗りのカヤック(バイダルカ)を持ちかえっているが(函館の「北方民俗資料館」に展示)、特に注目されることなく、レクリエーション・カヌーが普及するのは、フジタカヌー研究所の藤田清氏がドイツのファルトボート(クレッパー艇)をもとに製作した艇の普及によっている。
アメリカでは、70〜80%がカナディアンカヌーといわれているが、わが国の場合、川は水量が少なくて急流が多いため、カヤック中心に発展し、近年になって、徐々にシーカヤックが普及しつつある。
わが国は、内海や内湾も多く、湖も各地に多数あるため、スクール・レンタル体制が整えば、今後、さらに普及する可能性は十分にあるといえる。