キ 屋形船・漁師料理
グルメブームは、味だけでなく、いい環境、変わった環境で、記念日的に食を楽しむという「環境消費型」「時間消費型」「イベント型(生活シーン演出型)」の食文化を生み出しており、魚がとれる現地で、新鮮な魚や名物料理を味わうことが注目されている(資料2-9)。
各地で「地引き網体験」などの体験漁業が行われており、熊本の不知火海では、かって本町でも盛んであった「うたせ船」漁を経験し、船上で採れた魚の食事ができるなど、屋形船で楽しむ観光も行われている。
ク ブルーツーリズム(漁業観光旅行)
南伊豆町の妻良漁協・子浦観光協会、岩手県田野畑村をはじめ、各地で漁協などが中心となり、体験修学旅行や観光ツアーを受入れている(資料2-10)。
本町でも、「まほろば」や頭島で体験型の旅行を受け入れるとともに、大多府島では「ふれあいの館・かぜまち」を整備している。さらに本格的な取り組み(体験メニューの充実、紹介パンフレットづくり、直接営業活動など)を行えば、さらに拡大を図ることは可能である。
ケ 船の科学館・博物館
船の製造技術や素材の革新とともに、かって海辺の町や村でみられた船大工の光景や小さな造船所は、今や完全になくなってきている。
船の技術・文化を伝えるために、各地で船の科学館や博物館・資料館がつくられている(資料2-11)。
本町でも、手漕ぎの和舟2隻を建造して子どもたちの教育に活用する取り組みが行われ、加子浦歴史文化館では、打瀬船の模型が展示されており、船の伝統技術・文化の継承が行われている。
コ 海と船の児童文字・童話
映像文化の多様化とともに、子供たちが本を読まない傾向がみられるが、少年少女文学のなかには『ツバメ号とアマゾン号』『15少年漂流記』『宝島』『ロビンソン漂流記』など海と船への親しみを増す良書が多く含まれている(資料2-12)。
このような文化状況に対し、鳥羽市では『マリン文学賞』を設けて取り組んでおり、本町においても、加子浦歴史文化館を活かし、海と船の地域文学の振興―創造への取り組みへと進むことも考えられる(資料2-13)。