(3) アウトドアスポーツの普及段階
このように、海のスポーツ・レクリエーションを多くの人々が四季楽しむようになるには、不利な条件が数多いのであるが、一方では、かつて山岳部などの人々しか近寄りがたかった雪山に、今では多くの人々がスキーに行けるようになっている。欧米のように、小型ヨットやカヌーなどがなかなか普及しないのは、自然条件以外の別の理由を考えてみる必要がある。
図表2-5は、アウトドアスポーツの普及段階を構造図化したものであるが、登山やスキーと較べて、小型ヨットやカヌー、ウインドサーフィンなどの海のスポーツは、まだまだ競技スポーツ・マニアスポーツの段階にとどまり、「大衆的なレクリエーション」としての普及は弱い。
海のスポーツ・レクリエーションが、スキ一並に普及するためには、いつでも誰でも参加できるような安全な活動の場(スキーのゲレンデ、ツアーコース、クラブハウスなどにあたる施設)の整備と、スクール体制の整備、レンタル施設の整備が必要であり、さらには、総合用具メーカー・カタログ誌・専門ショップなどの充実、マスコミでの紹介、学校スポーツでの採り入れなどが、必要である。