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(2) 社会潮流や住民ニーズの変化から

生涯学習や環境保全・リサイクルへの意識の高まりなど住民意識の変化、高齢・少子化や女性の社会進出といった社会構造の変化、さらには障害の重度・複合化と障害者や介護者の高齢化といった福祉ニーズの複合・多様化など、地域をとりまく社会環境が大きく変化している。

また、廃棄物処理におけるダイオキシン対策のための排出基準値や補助対象焼却炉規模の設定などの法改正、介護保険制度の平成12年度からの導入、さらに学校週五日制の平成14年度からの完全実施など、制度的な変化も進んでいる。

こうした社会潮流の変化を背景として、公共施設に対して住民が求めるものが高度化・多様化している。また、住民の地方行政あるいはまちづくりに対する意識も高まりをみせ、積極的に地域やまちと関わることに生きがいや自己実現を見いだそうとする人も増えてきている。

このため、施設の運営においても、例えば貸施設ならその手続きと管理だけをするといったことだけにとどまらず、企画力や指導力・専門性を持って住民がより利用しやすく、高度なサ-ビスを受けられるような仕組みや情報を提供することが求められている。とりわけ、京都、大阪といった大都市中心部からの流入人口も多い本地域においてはこの傾向が著しい。一方、厳しい財政状況などから、個々の施設や単独の市町だけの取組でこれらの住民ニーズに応えることは困難になりつつある。

これらの新しい、あるいは高度化するニーズに対応していくためには、専門性・企画力や強力な指導力を発揮する人的資源の育成・確保、個性的な情報の受発信など、施設運営の高度化・多様化を図ることのできる施策を広域的に進めていくことが求められる。

また、施設の効率的・効果的な運営と住民ニーズへの対応をともに実現するための取組として、施設運営や利用に住民を積極的に取り込み、その活力を十分に活用していくことも必要となる。

 

(3) プロジェクトの進展などから

東海道新幹線(仮称)びわこ栗東駅や本地域南側に計画されている第二名神自動車道など、圏域の交通拠点としてのポテンシャルを一層高めることが期待されるプロジェクトが進展しつつある。

しかし、こうしたプロジェクトの進展は、圏域がさらに広域的な競争へ新たな一歩を踏み出す契機にもなる。

さらに、プロジェクトの効果を十分に生かしながら、圏域全体の魅力を高め、吸引力・競争力を強化していくための施策を戦略的に展開していくことが不可欠である。

 

 

 

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