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これまでの広域連携のための制度のほとんどは、その権限が市町村に帰属するものや期間が限定されたもの、あるいは法人格を有し事務に関する権限を持っても、その権限は市町村によって付与されたものなど、その広域連携組織が自主的な活動をすることは難しい制度であった。

これに対して広域連合は、市町村だけでなく国や県からも事務の委譲を受けることができ、また、住民による直接請求を受けることができる。

こうしたことから、組織としての意思があれば主体的に様々な活動に取り組む可能性が広がる制度といえる。

鳥取中部ふるさと広域連合の場合、共同事務処理について広域連合組織がイニシアチブを持ち、独自の考えのもとに、事務内容の拡充に向けて県に対する事務委譲の要望・交渉を主体的に行い、全国ではじめて都道府県から次表の事務委譲を受けている。

○権限委譲により新たに広域連合として取り組む業務

1] 火薬類の消費などにかかる許可事務

2] 液化石油ガス設備工事届けの受理にかかる事務

 

こうした組織の主体性や獲得した実績は職員の意識を高め、さらに組織の活性化を生み出している。

また、県は広域連合に対して積極的な支援を行っており、広域連合のプロジェクトに対して事業費の1/2以内を助成する制度の創設(県内には他に広域連合組織はなく、現在は、鳥取中部ふるさと広域連合のみがその適用を受けている。)、職員の派遣などを行っている。

本地域においてもこうした事例を踏まえ、今後の広域連携を進めていく上では、主体性を持ち、自らの意思で実行できるだけの権限を持たせた体制づくりなどを検討していくことが望まれる。

また、その方式については、既存の組織や制度に固執するだけでなく、多様な仕組みの中から最も適切なものを選択し、活用していくこと、そして国、県などと積極的な連携を図っていくことも重要である。

 

 

 

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