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はじめに

 

わが国の地域社会は、社会・経済全般に及ぶ国際化の進展、高度情報システムの発達、少子・高齢化の進行による人口構造の変化等に伴い、早急に対応しなければならない数多くの課題に直面している。

地方公共団体は、地域における総合的な行政主体として、これらの課題に的確に対処し、21世紀に向けて、活力のある豊かな地域社会づくりを積極的に進めていかなければならない。

一方、現下の地方行財政をとりまく環境は誠に厳しく、極度の歳入不足を前に、住民の関心は、行政コストの削減合理化と施策の適正な選択に向けられている。

今後、地方公共団体は、このような環境の下において、地方分権を基本に据えた行政財改革を推進し、その自主性・自立性を高めると同時に、これからの時代にふさわしい地方自治行政体制を整備しつつ、地域社会におけるニーズの多様化・高度化に対応した諸施策の推進を図っていかなければならない。

当機構では、地方公共団体が直面する困難な課題の解決に資するため、一つは全地方公共団体に係る全般的な立場から、一つは個々の地方公共団体に係る地域の実情に即した立場から、多角的に課題を取り上げ、調査研究を行っている。本年度は、11の具体的なテーマを設定し、調査研究を実施した。本報告書は、このうちの一つの成果をとりまとめたものである。

本調査研究は、埼玉県名栗村を調査対象地域として、平成12年度からの介護保険制度の導入を考慮した保健・医療・福祉サービスの一体的な提供システムの構築とその方策について検討したものである。

本調査研究の企画及び実施にあたっては、委員長をはじめ委員の方々に多大なご尽力をいただくとともに、自治省はじめ関係省庁、関係地方公共団体及び各種研究機関などから多くのご指導とご協力をいただいており、誠に感謝に堪えないところである。

また、本調査研究は、財団法人日本船舶振興会の補助金を受けて行ったものであり、ここに謝意を表する次第である。

本報告書がひろく地方公共団体の各種課題の解決と施策展開の一助となれば幸甚である。

 

平成11年3月

 

財団法人 地方自治研究機構

理事長 石原信雄

 

 

 

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