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先にも述べたとおり、天竜市内の公共交通は複数の事業者により運行され錯綜した状況にあり、再編成が必要である。公共交通のうち、バスについては天竜市自体も事業主体であり、当事者として積極的に調整に関わっていくことが求められる。

なお、再編成にあたっては、市民や利用者が利用しやすい交通体系の確立を優先させるとともに、高齢者や子どもなどの交通弱者や地球環境問題に配慮した視点が必要である。

また、バスターミナルをはじめとした交通拠点や、バスルートの確保などについては、社会インフラの整備と連動させていく必要があり、行政が果たす役割は大きいといえる。

 

(4) 鉄道等の利用客増加に結びつく地域交通政策の展開

鉄道等の利用客増加に関しては、直接的には事業主体である遠州鉄道、天竜浜名湖鉄道サイドでの取組が重要であるが、安定的な公共サービスの確保という意味からは、行政が果たすべき役割も大きい。とりわけ、将来的な公共輸送サービスに対する参入自由化など、社会環境が変わりつつある中、地域政策の中で公共交通問題を検討していく必要性は、ますます高まっているといえる。

鉄道等の公共交通の利用者増に向けて、行政サイドとして、次のような取組を行うべきである。

・公共交通利用に向けた市民や企業等への啓発普及

・公共交通にかかわるインフラの整備(バスターミナル、バスルートに係る道路、バス停、パーク・アンド・ライドのための駐車場等)

・公共交通利用者に対するインセンティブの付与

・行政自体が公務等で率先して公共交通を利用する

 

(5) 定住人口増加に結びつく地域開発の促進

鉄道利用者は、沿線人口に大きく影響される。この意味で、天竜市内で定住人口を増加させることは、鉄道利用客増の大きな要因になると考えられる。現在、天竜市においては阿蔵山、船明地区の住宅地開発を行っているが、これら事業については、事業効果を生み出す堅実な努力が求められている。

 

 

 

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