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ウ ケース3 −公共補完型で、遠州鉄道か天竜浜名湖鉄道あるいは新たに設立する第3者機関が整備する。

遠州鉄道か天竜浜名湖鉄道あるいは新たに設立する第3者機関が乗り入れのための基盤整備を行い、遠州鉄道が乗り入れを実施し、運行する方法である。

このケース3が、ケース1、2と違う点は、整備主体を幅広くあげ、その多様な顔ぶれにあるのではなく、公共補完型という点にある。公共補完型とは、事業の公共性に着目し制度資金の導入を行うとともに、直接関係する公共団体などが、積極的に支援する方式を意味している。

公共補完型で行われた最近の事例として、天竜浜名湖鉄道の設備投資方法を紹介する。

 

(ア) 天竜浜名湖鉄道の設備投資方法

天竜浜名湖鉄道が県及び沿線市町村の支援を受けて、経営基盤強化計画(長期再建計画)を策定したことは前述のとおりである。

この計画では、今後10か年の天竜浜名湖鉄道の設備投資予定額を29億8,500万円余としている。そのうち、12億円余は、国・県の補助(鉄道軌道近代化設備整備事業等)で手当することとしている。残りの17億円は、県及び沿線市町村の支援により、全額を設備投資に充当する新たな「経営助成基金」の造成を行うことでまかなうこととしている。つまり、今後10か年の天竜浜名湖鉄道の設備投資は、ほとんどを、公的負担でまかなう計画である。

なお、天竜浜名湖鉄道の経営基盤強化計画(長期再建計画)は、10カ年の計画であるが、平成10年12月に沿線市町村会議が具体的に支援を決めたのは、10か年のうち5か年(第1期分)の経営助成基金の造成計画であり、金額は17億円のうち13億円である。

 

(イ) 乗り入れ事業の収支

この上記(ア)の設備投資方式、つまり公的負担で設備投資を行う方法

 

 

 

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