注) パターン・属性は、図表5-7、図表5-8で標記したもの
上記予測では、天竜二俣駅及び二俣本町駅の利用者が、現状見られるようにほぼ同数と想定したため、各駅約700人弱ずつの回遊増が期待される結果となった。図表5-1でも示したとおり、現在両駅の利用者数は250人弱であることを考えると、比率的にはかなり大幅に増加するものといえる。
このうち、2]の回遊パターンについては、駅前にとどまらず少なくとも二俣本町〜クローバー通り南部までの街中の回遊を伴うものであり、周辺の商業などへの波及が、特に期待されるパターンと考えられる。
実際には、バス利用から鉄道にシフトする者のうち、全てが接続駅までバスでアクセスするのではなく、鉄道駅の近くに居住する者については徒歩・自転車によリアクセスする者も発生すると考えられる。これは、車送迎についても同様である。したがって、実際の回遊者は、今回推計した人数よりも多くなることが期待される。
これまで検討してきたように、鉄道の利用者の増加は駅周辺の市街地への回遊の発生をもたらすもの と期待されるが、「実際どれだけの人が回遊するか」は当該地域の商業施設や公共施設などの整備の状況により大きく左右されるものと考えられる。つまり鉄道利用を念頭においたまちづくりとの関係が重要になってくる。当然、回遊行動は、誘導を目的とした意図された施設整備により、高まるものと期待される。