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(2) モデル事業の内容

 

ア ー次処理の基本的方式

 

一次処理の方法として、各家庭で家庭用生ごみ処理機を使う方法(家庭処理)と、地域で大型生ごみ処理機を設置する方法(地域処理)が考えられる。幅広い区民の参加が得られるシステムとするために、一次処理は家庭処理と地域処理を併用する。

家庭処理及び地域処理については方式を限定せず、各家庭の状況によって区民が選択するシステムが望ましい。また、地域処理については、区民が参加しやすい場所に設置する必要がある。

 

区民アンケートでは、家庭処理に「参加したい」が6.5%、「条件次第では参加したい」が49.9%で、一方、地域処理に「参加したい」が26.4%、「条件次第では参加したい」が51.6%であり、家庭処理と地域処理を比較すると、地域処理への参加意向が高い。また、地域処理は、生ごみ処理機の管理などを参加する区民が自主的に行う方式であり、地域コミュニティの活性化という観点からも望ましい仕組みといえる。しかし、区民のライフスタイルは様々であり、多くの区民が参加できるようなシステムとするためには、一次処理は家庭処理と地域処理を併用することが望ましい。

生ごみ処理機は大きく分けると微生物型と乾燥型に分けられる。微生物型は生ごみをおがくず等と一緒に混ぜて、微生物によって分解する方式で、乾燥型は加熱して乾燥させる方式である。それぞれの方式で一次処理したものは性状が異なるため、微生物型と乾燥型の一次処理物が混ざると、良質な肥料・堆肥を得ることが困難になるので、適切な二次処理を行うために、家庭用生ごみ処理機の種類を限定するという方法も考えられる。しかし、生ごみ処理機は、機種によって大きさやメンテナンスの難易性が異なるため、機種を限定することで、参加する区民が少なくなる可能性がある。そのため、行政がそれぞれの機器の特徴などの情報を区民に提供し、区民が自らの判断で機種の選定ができることが望ましい。微生物型と乾燥型の混在の問題については、二次処理で対応できるようシステムを整備することが望ましい。

 

 

 

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