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(ア) 産業廃棄物に絞った着実な施策

産業廃棄物である街路樹等の剪定枝やビール滓を原料に堆肥生産を行い、全市で発生する剪定校の1/3以上、市内の2社のビール工場のビール滓を受け入れ、有効利用を図っている。処分に大変困っているが、原料の品質が安定していて、確保が容易な産業廃棄物に絞ったのは現実的な選択である。

 

(イ) すぐれた事業収支

平成9年度の事業収支をみると、原料受入と堆肥販売を合計した収入額から費用を引いた事業収益が23百万円を超えており、極めて高い収益性を有している。

 

イ 「京の旬野菜」を支える

 

(ア) 「京の旬野菜」推奨事業

京野菜は、古くから市内で栽培され、京の食文化を支えてきた。しかし、近年、野菜全般について、遠隔地の大生産地における周年供給体制が整備され、消費者が野菜の旬を意識する機会も薄れている状況にある。もともと、その土地で穫れる四季折々の自然の恵みをその盛んな季節=旬に食べることは、自然の摂理であり、生物全体への影響やエネルギー消費の面からも地球にやさしい農業の推進に通じるものである。こういった考えに基づき、京都市は、適地・適作の野菜づくりの伝統を守り、市内で生産される旬の野菜を市民に供給する(=地場消費)事業を興した。これが「京の旬野菜」推奨事業であり、市は、学識経験者、生産者、流通関係者、消費者、マスコミ及び市職員で構成する「京の旬野菜」推進協議会を組織し、要件を満たした生産農家を認定し、認定農家の栽培指導を行い、市の認証マークの使用許可等を行っている。

(イ) 剪定枝とビール滓から作る堆肥の利用

「京の旬野菜」推奨事業は、有機肥料の使用と低農薬化による栽培方法を栽培指導指針として徹底させている。とくに有機肥料の使用に関しては、剪定枝とビール滓から作る堆肥の使用を積極的に推奨している。京都市が始めた剪定枝とビール滓から作る堆肥は、京野菜を育て、その伝統を守るとともに、消費者の求める健康で安心できる美味しい農産物供給に寄与し、見事な食の循環を形づくっている。

 

 

 

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