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第3章 今後の課題

 

これまで、中心市街地の再生に向け、資料編にまとめた地域の状況や具体的な3都市を対象にしたケーススタディをふまえ、提言編として、指針となるガイドラインの作成を行った。

ここでは結びとして、中心市街地再生に向け、本調査を通じて浮かび上がった諸課題を整理し、今後の課題としたい。

 

1] 中心市街地の現状と各都市における取組の動向からみた課題

中心市街地における再生の試みは全国規模で展開され、様々な事例も報告されている。しかしながら、ケーススタディの3都市などにみたように、各都市ともにその推進には数多くの課題があり、悩みは深いと言わざるを得ない状況にある。

ガイドラインとして示した基本的な考え方や計画の手法についても、各都市の取組の手がかりを整理したにすぎず、再生の努力が実を結ぶかどうかは、各都市の市民、商業者、行政などの団結と努力によるところが大きい。

その意味で中心市街地法の成立を契機とした動きは、これからの新しい都市づくりの方向を開く端緒になれば、一定の成功といえよう。

今後の課題としては、各都市のまちづくりにおける意識的努力が、持続的な運動として地域に定着し、長期的に計画的な取組がなされていくかどうかの点にある。

 

2] 中心市街地における商業の活性化に向けた課題

中心市街地における商業の地盤沈下は著しく、早急な対応方策を求める声が大きい。しかしながら、これはこれまでの都市づくりやライアスタイルなどの選択の結果であり、商業が商業だけの頑張りで活性化できる範囲は限られている。とすれば、今後の課題は一方では、まちづくり全体の中で、中心市街地の交流、定住機能などの強化を進め、結果として一定の底上げを図っていくとともに、商業者自らの頑張りをそこに加えていくことにあるといえよう。

そのためには、少なくとも頑張ろうとする商業者がまちの外に出ていかざるを得ない状況ではなく、まちづくりが商業者を支援する方向での努力が必要であり、行政や関係団体などの広範な取組や、市民・企業の参加による計画づくりなどが重要な意味を持つといえよう。

 

 

 

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