3 中心市街地再生の基本戦略づくり
(1) 再生の基本戦略を組み立てる
中心市街地の将来像と目標設定にあわせ、都市の経営戦略と中心市街地活性化のシナリオをどのように展開していくかといった、再生の基本連略をシナリオの具体化に先立って組み立てる必要がある。
中心市街地の再生に向けた取組の中で、基本的条件として求められるのは、次に示すBE(あるべき姿、長期的ビジョン)とDO(行動力、やる気)、HAVE(具体目標)の3点である。
BE:ビジョンの合理性
重層的な基盤条件との整合が図られ、かつ都市の規模、特性に応じた合理的なビジョンを策定することが、再生戦略の第1歩である。
DO:プログラムの戦略性
ビジョンの実現に向け、事業を円滑に推進して成果をあげるには、質の高い公共空間を連担していくための戦略的な事業展開が必要となる。
マネージメントへの参加性
中心市街地での事業展開では、市民と行政がビジョンを共有し、市民セクターなどの市民組織が主体的にまちを運営していくことが重要である。
HAVE:目標の具体性
まちづくりのモティベーションを高め、地元の力を結集していくためには、各段階毎での具体的な目標設定が重要である。
<参考例>
1]長期的都市づくりの方向に対応した中心市街地のまちづくり戦略の確立
○都市の成熟化に対応した中心市街地像の確立
・都市の顔づくり/中心市街地の再生/郊外の成熟と中心市街地の役割
○都市内の拠点整備と連携方策の確立
・沿道商業集積との役等分担と連携/観光拠点等との連携
○広域都市圏における中心市街地機能と広域連携の確立
・広域観光拠点/地域生活拠点/地域中枢業務拠点/地域商業拠点
2]短・中期的な中心市街地の魅力づくりの課題
○都市基盤の整備
・骨格道路の整備/面的基盤整備の検討 等
○ネットワークの拡充整備
・歩行者道のネットワーク/休憩場所のネットワーク 等
○核となる活動拠点づくり
・総合健康福祉センター/商業再開発 等
3]商業を中心とした短期的活性化方策の検討
○商業がやる気になる短期目標の設定
・空き店舗を活用したイベント事業 等
○きっかけとなる活性化事業とその推進体制づくり
・TMOの設置 街なかリフォーム事業 等
○当面する諸課題への支援方策
・駐車場の共同利用支援 等