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また、議会が3か月以上休会したり、3か月以上にわたって何1つ採決をできなかったり、あるいは議員が過半数割れを起こしたがその欠員を補欠で埋めることができないなど、議会が正常に機能しない場合、知事は議会を解散し、政府に新選挙を提案する(同改正案第111条第2項)。ただし、議会には、県知事の解散決定に対して、行政裁判所に訴える権利が保証され(同改正案111条第3項)、知事の専横に歯止めがかけられている。さらに、県議会議長の任期が任期前に停止させられた場合、県知事は命令を通じて、新議長選挙を選挙するよう県議会に告げる権限も有する(同改正案第119条3)。

しかしながら、知事の行動が野放しにされているわけではない。知事が地方自治体の条例等を違法であると判断した場合、それを出した地方自治体は行政裁判所に訴えることができ、裁判所が知事の行為を不当であるとの判決を下せば、知事は民法上あるいは刑法上の責任を負う(同改正案第27条第2項)。

さらに、知事の活動は政府によってコントロールされている。知事は年次報告書を政府に提出し、法的性格を有する命令を出す場合には、それを地方自治体に報告しなければならない。その場合、地方自治体がその命令を違法と判断した際には、知事命令を取り消すよう政府に提案することになっている(同改正案第138条第2項及び第3項)。加えて、知事は技術的・専門的性格を有する命令を出す場合、それを関連省庁に知らせる義務があり(同改正案第139条第1項)、他方、それを受け取った省庁がその知事の命令を違法ないし不適切と判断した場合、政府に対して知事命令の取り消しを提案できる(同改正案第139条第1項)。

逆に、いくつかの政府機関は知事との協力が義務づけられている。例えば、内務省及び警察は知事と協力して、防衛や犯罪の防止、人権擁護に努めねばならず、省庁及びその他の中央専門機関は、地方の公共サーヴィス機関に対して法的性格を有する命令ないし法令を出す場合、即座にそれを知事に知らせなければならない(同改正案第139条第2項)。

また、知事は省庁の出先機関に対してその活動を指導し(同改正案第133条1項)、その幹部の任命と解任を行う(同改正案第133条第2項)。ただし、知事が技術的・専門的命令を出す場合には、各自治体の省庁ないし専門機関と協議した後でなければならず、それら機関の指導者の副署も必要である(同改正案第137条第2項)。

ところで、県レベルにおける住民の代表機関と政府の代表機関との対立関係を解消し、その整合性をはかる目的で創設されるのが「領域的協議委員会」と呼ばれる機関である。同機関はすべての県に創設されることになっており(同改正案第145条)、その構成メンバーは知事、副知事、書記長と県議会議長、副議長、書記である。

 

 

 

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