またレジームとレジームのインターフェースではレジームどうしのバッティングが問題となる。
アクターとはレジームに参加する主体のことである。アクターは単独で行動することがあるし、連合を組むこともある。アクターはレジームにおいて行動するばかりではなく、レジーム自体を変える行動をする。レジームが自分に相応しいものでないと感じたら、単独であるいは連合を組んでレジームの変革を行うであろう。とりわけレジームの目的遂行のため、レジームの強化をリードするアクターを先導アクターと呼ぶ。逆にそのようなことをさまたげようとするアクターを阻止アクターと呼ぶ。状況を伺って自分の都合の良い方向へ身替わりするアクターを、日和見アクターと呼ぶ。
気候変動枠組条約
この条約の規定するレジームは温暖化防止(気候変動防止)のための国際レジームである。主要アクターは国家アクターであるが、排出権売買のようなことが考えられ始めると、企業もアクターとなりうる。もちろんNPO/NGOは重要なアクターである。彼等はこのレジーム強化の先導アクターであったともいえる。
さて日本もこの条約の締約国であり、重要なアクターのひとつである。そしてアクターの役割を果たすため、日本国内でも温暖化防止のレジームを作っている。国内レジームのアクターは国、NPO/NGO、企業、経済団体、自治体などである。こうしたレジーム/アクターの関係は図2-1によって示されている。