また、高架部でのLRTもバスも運行頻度は1〜2分ヘッドで走るほど高く、たとえ路線間を乗り換えるとしても、抵抗は少ない。隣のエッセン市では、ガイドウェイバスが15分に1本しか運行されないために、その非効率等のために廃止が決定されたのとは対照的である。
(ウ) シュトゥットガルト市
シュトゥットガルト市では、放射方向道路と鉄道(Sバーン)との間で、ITS技術を用いたダイナミック・パーク・アンド・ライド・システムが試行されている。これは、都心へ向かう車の中で行き先の混雑状況が表示され、昨日は都心まで車で進入したが、今日の今の時間帯は混んでいるため途中駅でパーク・アンド・ライドする方が良いとの情報が提供されるシステムである。乗り換えられる駅がいくつも設置されており、時々の道路交通状況に応じて異なった駅で乗り換えるため、「ダイナミック」と形容されている。シュトゥットガルトは、都心が盆地の中にあり、山越えをして郊外の住宅地との間を自転車で通うのは難渋する。そこで、市電にトロッコの屋根なしの貨物車を連結して自転車を乗せられるようにしている(写真2)。このように、環境負荷の少ない乗り物へ極力移行する方策が採られている。
(2) イギリス
イギリスでは、ブレア政権に交代後、新しい交通政策が導入されようとしている。その考え方は、昨年秋に刊行されたwhite paperに述べられている。それは、better environmentを標榜するものであって、そのために、無制限な道路交通への依存から脱却するために、自動車と公共交通とを連携させた"Integrated Transport"の思想を推し進めている。その具体的施策として、ロードプライシングと駐車場課金とを2つの柱として、自治体権限により導入できるような制度化を図るものであり、次のような効果をねらっている。都心中心部の駐車場を減らす。また、駐車場課金は従来取られてきた建物への駐車場付置義務の撤廃と同時に実施されるもので、都心部の駐車場容量を低下させ、都心への自動車の進入を減らす。一方郊外では、大規模店舗の駐車場にも課金される。