日本財団 図書館


(イ) エコシティの目指す方向

 

エコシティは、都市づくりの中で様々な新しい技術や制度を活用して、あえて都市の便利さと環境の良さの両立をめざし、都市の持続可能な成長を可能とするものである。

都市の環境整備に際して、その目標は「総合的な都市環境の質の向上」にあると考えられるが、総合的な都市環境の質は、

・利便性、快適性、安全性などの都市のアメニティの創出

・環境負荷の軽減、自然との共生

の2つの大きな分野に分けらる。前者は、道路や市街地整備などで「創出的環境」、後者は都市内の緑地や水辺の環境などで「自然的環境」と呼ぶこととする。

これまでの都市整備の施策は、両者のトレードオフの関係にあるものが多く、創出的環境の向上をめざすと自然的環境にしわ寄せが行き、自然的環境の向上をめざすと創出的環境の充実に足かせがはめられるという状況にあったといえる。これを簡単に概念的に図示すると図表3-1の曲線Q1のようになる。

 

図表3-1 創出的環境と自然的環境の実現の度合い

078-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION