また、多くの途上国では、たとえ温暖化が進もうとも、これから経済を発展させて、国民にあまねく安価な冷蔵庫やエアコンを普及させるのが先であり、そうした便利で近代的な生活の実現を、既にこれらを手に入れた先進国の都合で遅らせるわけにはいかないという訳である。
ウ その他
その他の温室効果ガスについても、様々な可能性が議論されている段階である。例えば、メタンについて、「地球全体の反芻を行う草食動物(ウシなど)の消化管から排出されるメタンの総量の方がよほど影響が大きい(にもかかわらず二酸化炭素ごときで大騒ぎするのはおかしい)」という乱暴な主張から、「温暖化によって永久凍土が融解したりして土壌から発生するメタンや植物起源のテルペン類が大気中に放出されると、温暖化はさらに加速されて取り返しがつかなくなる」という仮説まである。
(3) その他の温暖化メカニズム
ア 多様な要因
温暖化のような大規模な地球レベルでの気象変動に関与すると見られる他のメカニズムとしては、万年単位の長いものから十数年単位のものまでさまざまであり、以下のようなものが考えられている。
・太陽の黒点の増減
・惑星間物質の量の増減
・地球の軌道要素の変化
・氷河期と間氷期との周期
・地球の地軸の変化
・火山活動
・大気中の雲量の変化
・海水温の変動
・大気と海水との二酸化炭素のやり取り