・顧客対応
顧客、資金提供者を対象としたESCO事業の概念普及を図る必要がある。また、顧客、資金提供者の立場で、ESCO事業の内容、ESCOに発注すべきサービス、ESCOの評価方法、標準契約書などを分かり易く解説したガイドブックを作成する必要がある。
(b) 実証プロジェクトの実施
ESCO事業のノウハウ蓄積、普及啓蒙などを目的とした実証プロジェクトを行うべきである。実証プロジェクトの実施により、ESCOの有効性の認知度を高めることができ、また実際のプロジェクトの内容、効果を公表することで、技術的なノウハウの蓄積につながる。
(c) 標準契約書の作成
ESCOの契約には様々な形態が考えられる。標準的な契約書を作成することは、今後ESCOの事業化を検討する企業にとっては契約書を作成するガイドラインになる。また、特に顧客にとっては、参考とする契約が存在することは、混乱を回避し、ESCO事業の信頼性を高める上で非常に重要である。
(d) 計測・検証手法のガイドラインの開発(M&VP)
ESCO事業にとって事業実施後の省エネ効果、経費削減効果の検証は非常に重要である。しかし、この評価手法は時として複雑で、特に顧客にとっては理解しにくいものとなる。評価手法のガイドラインの作成は、省エネ効果を確実にするともに、顧客にとってもESCO事業を理解する上で非常に重要である。
(e) 省エネ設備機器の情報整理と提供
ESCO事業の早期導入、普及を実現するためにはエネルギー消費データの整備と、省エネルギー技術に関する情報を収集整理し、一般に公開する必要がある。
(f) ESCO事業育成の中核機関(ESCOナショナルセンター)の設立準備
ESCO概念の普及啓蒙、ESCO事業者同士・ESCOと顧客の情報交換、ESCO事業育成策の検討など業界全体の健全な発展を目的としたナショナルセンターの設立を準備する必要がある。