(ア) 統合的・包括的なエネルギーサービスの提供
省エネルギーの実現までには、プロジェクトの発掘、省エネルギー計画の策定から設備の設置、創業後のメンテナンスに至る多種多様な業務を行う必要がある。
ESCOはこうした一連の広範な業務を統合的・包括的に請け負う点に特徴があり、その点で、機器制御メーカー、ビルエネルギー管理会社、建設業やコンサルタントといった既存の業種と対比される。さらに、ESCOがこうした広範な業務を請け負うことは、省エネルギー効果をより確実なものにするというメリットを持つとされる(例えば、施工に当たってはESCOの従業員が管理に当たるが、これは施工の善し悪しが省エネルギー効果に大きな影響を持つからであり、さらに、施工後にあっては、省エネルギー効果を計測検証し、クライアントに対し最後まで責任を担保する)。
(イ) パフオーマンス契約
ESCOは省エネルギー改善計画を顧客に提示した後、当初計画通りのエネルギー節減額の実現の責任を負い、成功報酬を得る。従って、実現しない場合のリスクはESCO側が負担する。すなわち、計画通りの省エネ効果が得られなければ、ESCOは回収できなかった省エネ相当分を顧客に弁済する義務を負う。
(ウ) 資金調達
ESCOは省エネルギー対策後に想定されるエネルギー節減分を原資(担保)として、設備改修費、維持管理費等の省エネルギーのために必要な資金を調達(提供あるいは手配)する。従って顧客は契約の履行義務を負うが、省エネ節減額から融資返済を行うほかに、経済的負担は負わない。
実際の契約は、(ア)顧客が直接的な債務者となる場合(ギャランティード・セイビングス契約;節減額保証契約)と、(イ)ESCOが直接的な債務者となる場合(シェアド・セイビングス契約;節減額分与契約)がある。