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論点メモ

 

○地方行政の分野においてもアウトソーシングが進展しているのであり、本当に地方公務員が担うべき職務は何かというところから議論を始めるべきではないか。その際「公権力の行使」概念を中心に据えた現行制度を前提とするのではなく、地方分権時代の人づくりを地方公務員法が阻害していないかどうか、人事法制度全般にわたる柔軟な見直しが必要ではないか。

 

○組織の方向付けを行うディレクション、決定された政策の運用基準を決めるアドミニストレーション、決定された運用基準に従い職務を効率的にこなすコントロール、の三段階で組織のマネージメントを考察した時に、地方分権時代に最も必要とされる能力はディレクションを行う政策形成能力であると考えられる。地方公務員に求められる能力と一括りにするのではなく、本来これらは分けて論じられるべきでないか。

 

○民間企業では業績向上が計量可能であるが、地方公務員として良い仕事をしたかどうかという評価を定量的に行うには難しい側面がある。この点が解決されないと能力主義・実績主義という新たな制度は導入できないのではないか。

 

○人づくりは、現在の学校教育制度にも深く関連するのではないか。大学の法学部でも法制度や条例の解釈は行うが、自分で条例を作成する訓練は行わない。政策形成能力を高めるためには、学校教育のあり方も見直す必要があるのではないか。

 

 

 

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