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エ 課題

(ア) ホームヘルプの分野で民間サービスは本当に育つか?

図表2-17は、平成9年3月の地方自治経営学会の資料から作成したものである。民間が一概にいいとは言えないが、これまで公の分野においてホームヘルパーがどれだけ稼働したらどれだけ採算がとれるのかといった発想が全くなかった中で、民間が参入することで、コスト意識が生まれてくることは確実である。特に入浴サービス、配食サービスの分野では民間委託が有利なのは明らかであり、スウェーデンでも同様である。ただし、ホームヘルプの分野は、企業努力や合理化が行いにくい分野であり、スウェーデンでも民間委託は進んでおらず、本当に民間サービスが育つかという点については疑問もある。

いずれにせよ、民間が入ってきてコストと質の競争が行われるのは良いことであるが、そうなると24時間対応のホームヘルプなどを、現在の福祉公社のように、地方公務員に準じた給与基準や労働条件で行うには限界があり、株式会社のように雇用管理が自由にできる事業体の方が効率的なので、福祉公社は過渡期としては役に立つが、将来的には役割を終えて消滅していくことも考えられる。

 

図表2-17 高齢者福祉における公立と民間のコスト比較

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資料:地方自治経営学会資料(平成9年3月)から作成

 

 

 

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