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(キ) PFIの評価・課題

PFIの利点としては、民間の効率的な運営を取り入れることによるコストダウンがある。プロジェクトの主体は民間企業であるため、資金調達コストは政府調達よりは上昇するが、実施工事などで効率的な運営、コスト管理の徹底により、相対としては、コストダウンにつながると言われている。

しかしながら、従来の公共事業とPFIのコスト比較は事業全体としては計量しがたく、絶対的な優位性まで結論は出ないが、公共事業の仕様決定に比べて技術革新が促進され、当面の財政負担は軽減されることが確実であるなどの点は評価できるであろう。

課題としては、民間自身がリスクを背負って仕事を行うため、詳細な事前調査が不可欠で、落札できなかった場合は結局コストがむだになるため、入札にかかるコストが高くなることが挙げられる。

 

ウ 日本型PFIの推進

(ア)我が国での導入に向けて

事業別の適用可能性についてBOT方式と適合性の観点から検討したイメージは、図表2-9のとおりであり、治山・治水は従来の純粋公共事業が一番馴染んでいるという見方ができる。

わが国の導入に向けての課題として、一つは日本の土地の相対的な価格が高いということがある。したがって、プロジェクトにおける初期投資コストが高く、収益性の確保、事業の確立が困難とみられ、こうした土地のコストに対しては、公的主体の支援も考えられる。また、土地の問題に関し、価格の面だけではなく、権利関係が複雑であることも挙げられる。

次に課題として挙げられる一つは、サービスの質の保証である。民間の場合はコストダウンを重視するあまりにサービスの質の低下が危惧される。一方、これまでの公共事業は、質を重視するために、効率性が犠牲となった側面もある。

また、プロジェクトファイナンス方式が普及していないことも、課題として挙げられる。わが国の金融機関もノウハウを蓄積し、多様な手法を検討する必要がある。

 

 

 

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