3 基礎的自治体の自己再編成力の充実 ―広域行政・市町村合併の観点から―
(1)市町村における広域行政の取り組み ―三重県久居市の広域行政の取り組みとまちづくリ―
市町村の枠組みを超えた広域的な行政としては、市町村合併の他にも、一部事務組合や広域連合などの各種スキームが地方自治法において設けられている。
ここでは、まちづくりに関して様々な専門部会からなる協議会を設立するなど、積極的な取組を行っている三重県の久居・一志地区(1市5町1村)の事例を見ることとする。
ア 久居・一志地区広域行政の取り組み
(ア) 久居・一志地区の概要
雲出川流域に位置する、久居市、香良洲町、一志町、白山町、嬉野町、美杉村、三雲町の1市5町1村で構成される。
・地区内人口110千人
(人口増加率(H7/H2)0.5%、香良洲町、白山町、美杉村は減少)
・高齢化率19.6%(久居市16.1%〜白山町20.3%)
・財政力指数(平成10年度)美杉村0.212〜久居市0.647
(イ) 久居・一志地区の事務の協同処理の状況
・広域消防組合(久居市、一志町、白山町、嬉野町、美杉村)
・広域衛生施設組合(久居市、香良洲町、一志町、白山町、嬉野町、美杉村、三雲町)
・社会福祉施設組合(久居市、香良洲町、一志町、白山町、嬉野町、美杉村、三雲町)
(ウ) 久居・一志地区広域連携協議会の設立
平成8年5月、久居・一志地区広域連携協議会を設立
1] 協議会の目的
久居市・一志郡が広域的に連携・協力することにより、地方分権への対応や効率性・経済性を求めるとともに、域内の住民の利便性の向上を念頭に置いた将来ビジョンを描き、住民主役の視点で地域づくりを進める。