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1. 研究の目的

 

本研究は、平成8年度から平成10年度までの3カ年に亘り実施したものであるが、研究の企画・計画は平成7年度に検討・審議された。

当時、平水中の推進性能のみならず実海域の推進性能も含めた経済船型開発の必要性や船体構造の疲労損傷撲滅の為、波浪中に於ける船体構造状態の監視や構造寿命評価の必要性が論議された。これらはトータルライフに亘ってその経済性や安全性に優れた船舶を市場に投入したいという考えに基づく。

一方、安全という観点からIMOにおいて船舶運航と船舶管理の在り方が議論され船長責任のみならず陸側の運航管理責任も問う新しい管理体制の法制化(ISMコード)の動きもあった。

こうした背景の中で中長期的に、船体部を対象にどのような技術的アプローチをしていくか検討された。図1は当時検討されたものである。

第一の課題は「船舶が航行中にどんな状態にあり、どのような履歴を有しているのかきちんと把握すること」であることから、「船体状態を遭遇波浪/推進性能/構造応答に亘って総合的に把握する高度なモニタリングの骨格とその技術要素を提供する」ことを目的として本研究がスタートした。

 

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図1. 高度モニタリング技術を核にした今後の展開について

(平成7年度研究計画時点での検討図、高度モニタリング研究の位置付け/派生技術課題/期待効果を示す)

 

 

 

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