Lifeboat-Bは、現在実用化されている自由落下式救命艇として標準的な船型であり、日本造船研究協会のRR-7部会の模型実験で用いられた艇と同一の船型である。Lifeboat-Cも本研究部会で試設計されたもので、限られた寸法において最大限の定員確保を狙って超肥大船型とし、下部船体に比べ上部船体が極端に大きな船型となっている。
小型模型実験では図3.1(1)-2に示す滑台を使用して、滑台傾斜角や落下高さ等の諸条件を種々変更し、また、母船の運動を考慮した動揺を滑台に与えた状態で模型艇を進水させることにより、着水時に発生する加速度や艇の運動を計測した。また、予備研究として行った0.2m模型による簡易実験によって、超肥大船型のLifeboat-Cを従来型の滑台から進水させると着水時に十分な前進速度を与えることができず、着水後常に後方に飛び上がるという非常に危険な運動モードが生ずることが明らかになったため、Lifeboat-Cの進水用には二段滑台方式を採用した。
得られたデータは、主として艇体運動のシミュレーション法の検証に使用された。また、模型実験とシミュレーション結果の検討により、救命艇の船型や落下条件が自由落下式救命艇の着水時の挙動に与える種々の影響が明らかになり、今後の新型艇開発の有力な基礎データを得ることができた。