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2) コンベンションと観光

 

観光とコンベンションの相違からも分かるとおり(下の図表参照)、コンベンション誘致のためには特定範囲を対象としたマーケティングが必要である。

また、コンベンションは通常の観光よりも滞在期間や消費額が多い傾向にある。そのため大きな経済的効果も期待されており、実際に、観光地としての要素にコンベンションシティとしての必要施設を整備し、積極的な誘致を推進している都市もある。

 

図表 観光とコンベンションの共通点・相違点

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出所)「コンベンション、新時代のためのガイド」よりNRI作成

 

3) コンベンションにおける観光の意義

 

コンベンションと観光には共通点もあるが、基本的には「会議」という内容ゆえにその性格は異なってくる。しかし、コンベンション開催地選定要因でみたとおり、観光の魅力はコンベンションに付随する重要な要素の一つである。

コンベンション会期中や会期前後の観光は、主催者の意向に合わせて旅行代理店が企画・立案し、実施している。コンベンションの内容・分野によって趣向も変わり、テクニカルツアーや産業視察ツアーのような特徴あるツアーも多く、一般の観光客向きのものとは内容的に異なる要素が要求されることがある。

関西の各コンベンションビューローにおいても、同伴者プログラムや各種アトラクションの紹介を行っているほか、伊勢志摩コンベンション推進機構では紹介とともに手配まで行っている。

 

コンベンション誘致においての観光魅力という要素は、各文献やヒアリングからは仮説的に次のようにまとめられる。

 

◆ 観光の意義(JNTO、PCO等へのヒアリングより)

・観光よりイメージが先(イメージが醸成されてこそ観光への意欲も生じる)

・観光情報も含めた街のイメージの発信は非常に重要

・しかしあくまでも主はコンベンションの会議;観光は余興でしかない

 

 

 

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